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協働事業のしくみ

印西市には、市民活動団体が市に事業を提案し、市と一緒に地域の課題を解決する 「企画提案型協働事業」という制度があります。 平成17年度から続く制度ですが、手続きの流れが分かりにくく、 「提案したいがどこから手をつければいいか分からない」という声を聞きます。 CBIが実施要領を読み解いた要点をまとめました。

はじめに知っておきたい3つのこと

  1. 活動費の助成制度ではありません

    実施要領に「企画提案型協働事業は活動費の助成制度ではありません」と明記されています。 市と一緒に地域の課題解決に取り組む制度で、事業経費は契約に基づく委託費として支払われます。 団体の活動そのものにお金が出るわけではありません。

  2. 提案から事業開始まで、まるまる1年かかります

    6月に提案しても、事業が始まるのは翌年度の4月です。 市議会で予算が議決されて初めて正式な事業になるため、この期間は縮められません。 「今年やりたいこと」には使えない制度だと考えてください。

  3. 事前相談が必須です

    実施要領に「提案にあたっては、必ず市民活動推進課へ事前に相談をお願いします」とあります。 新規の提案は市の関連部署との調整も必要になるため、 募集開始(4月下旬)を待ってから動き出すのでは間に合いません。

1年間の流れ

令和8年度の日程です。年度によって数日前後しますが、大きな流れは毎年同じです。

  1. 4月下旬|募集開始

    実施要領が公開され、5月1日から各施設で配布されます(市広報5月1日号にも掲載)。

  2. 5月上旬|説明会

    市民活動支援センターで開催されます。提案を予定している団体は参加しておくと安心です。

  3. 6月5日|募集締切

    「協働の機会提案書」と「概算予算書」を提出します。 団体は決算書類、個人は資格や経歴が分かる書類も求められます。

  4. 6月下旬|書類審査

    市の関連部署が評価チェックシートを作成し、それを添えて市民活動推進委員会が書類審査を行います。

  5. 7月中旬|アイデア審査(公開プレゼンテーション)

    公開の場で提案内容を発表します。ここで見られるのは 「課題把握の的確性」と「協働の効果」の2点だけで、事業の細かい作り込みは問われません。

  6. 7月下旬〜9月下旬|三者協議

    提案者・市の関連部署・市民活動推進課の3者で協議・調整します。参加は必須です。 希望すれば、中立の立場で助言するコーディネーターの派遣を受けられます。

  7. 9月下旬|最終審査(公開プレゼンテーション)

    事業計画書・経費内訳書・年間事業スケジュールを提出し、改めて公開の場で発表します。

  8. 10月|採択の決定と予算要求

    市民活動推進委員会が市長に答申し、市が採択事業を決定・公表します。市の関連部署が次年度の予算を要求します。

  9. 3月下旬|予算の議決

    市議会で予算が議決されて、はじめて正式に事業化されます。

  10. 翌年度4月1日〜|事業開始

    協定書と委託契約書を締結して事業がスタートします。年度末までに業務完了報告書を提出し、 翌年度に市と団体の双方が評価シートで振り返りを行います。

応募できる団体の条件

次のすべてを満たす個人・団体・事業者が対象です。共同での応募もできます。

  1. 市民活動団体の登録を受けていること

    未登録の場合は、実施要領の様式で市民活動推進課に登録を申請します。

  2. 市内に居住または事務所があり、6か月以上の活動実績があること

    事業開始時点での実績が見られます。

  3. 規約・会則があり、予算と決算を示せること

    個人で応募する場合、規約は不要です。

  4. 事業を遂行できる能力があり、政治・宗教を広める目的でないこと

    条例で定める市民活動を行う団体であることも条件です。

提案できない事業

次に当てはまるものは対象外です。企画を考える前に確認しておくと、後戻りが減ります。

  • 営利を目的としたもの
  • 政治、宗教、選挙活動に関わるもの
  • 行政や他の機関・団体に対する要望、陳情にとどまるもの
  • 特定の個人や団体だけが利益を受けるもの
  • 施設等の建設、整備、修繕を目的とするもの
  • 市・国・県や他の地方公共団体、その外郭団体等から委託や助成を受けている事業、または受ける予定のあるもの
  • 地域住民の交流行事等の親睦的なイベント
  • 公序良俗に反するもの、法令上の問題・課題があるもの

とくに見落としやすいのは、上の一覧のうち次の2点です。 他の公的な助成と同じ事業で重ねられないこと、 そして楽しいイベントを開くこと自体は提案にならないことです。 イベントを行う場合は、それが地域のどんな課題をどう解決するのかを示す必要があります。

審査で見られること

公開プレゼンテーションでは、次の5つが評価項目になります。アイデア審査でははじめの2つだけ、最終審査では5つすべてが対象です。

  1. 課題把握の的確性

    地域社会が抱える課題として的確に捉えているか。地域や市民のニーズが高いか。

  2. 協働の効果

    役割分担が明確で相乗効果が見込めるか。団体が単独で行うより効果的で質が高いか。

  3. 事業の目的・内容・効果

    目的と内容が具体的か。団体の特性を活かした独創的な事業か。市の事業としてふさわしいか。

  4. 事業計画・実施体制

    計画が具体的か。財政基盤・人材・スキルといった実施体制が充分か。

  5. 実施方法・積算根拠

    課題解決に有効な手法か。事業経費の積算根拠が適正で妥当か。

お金のルール

  • 希望した金額が全額そのまま委託料になるとは限りません。採択後に精査して決まります
  • 契約締結後、市が契約額を上回る支出をすることはありません
  • 契約金額が100万円以上の場合は契約保証金の納付が必要です(市の契約事務規則で減免あり)
  • 団体の組織維持費、団体独自の活動経費、事務所の維持費は委託料の対象外です
  • 受託者以外に事業を再委託することはできません
  • ボランティアの労働も「無償労働力等換算金額」として予算書に記入します。単価は1時間あたり1,200円(千葉県最低賃金以上)で計算します

まだ提案の形になっていないとき

  1. 「アイデアのたまご」に登録する

    担い手が足りない、具体的な事業計画にまで至っていない——そんな段階のアイデアを、 市民活動推進課が随時受け付けて登録・公開する仕組みです。 そのままでは事業化できませんが、公開することで協力の申し出や情報が集まり、 将来の提案につなげることを目指します。応募資格は問われません。

  2. 資金面の支援を探す

    市内の市民主体の公益活動に助成する「公益信託印西市まちづくりファンド」という別の制度があります。 例年1月に募集があり、事務局は千葉銀行信託コンサルティング部です。 協働事業とは別枠なので、混同しないように気をつけてください。

相談先

  • 印西市 市民活動推進課(市役所)— まずはここに相談します。提案内容に応じて関連部署との調整を行ってくれます
  • 市民活動支援センター(コスモスパレット【中央駅前地域交流館】パレットⅡ 3階)— 提案書の書き方など個別の相談に応じています

このページは、印西市が公表した「令和8年度企画提案型協働事業実施要領」をもとに、 CBIが市民団体向けに要約したものです。正式な要件・様式・日程は必ず市の公表資料と市民活動推進課の案内をご確認ください。 年度によって内容が変わることがあります。(2026年8月時点の内容)