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雨の判定のしくみ

「通れない」「通れた」の記録に付けている「☔ 冠水のおそれ/🌦 小雨/🌤 雨なし」の決め方です。判定の版 v2.1-2026-09-26。作成:Community Bank INZAI(非営利・無償公開)

このページでわかること
記録した時刻の前後にどれだけ雨が降ったかから、その「通れない」が雨による冠水と考えられるか、それとも工事・事故など別の理由の可能性があるかの目安を付けています。 下の計算のコーナーで、数値を変えると台風25号の記録がどう分かれるかを、その場で試せます。
目安であり、通れるかどうかは保証しません。「冠水のおそれ」は「雨による冠水と考えて矛盾しない」という意味です。 判定に使う雨量は周辺の観測点の値で、その道の上に降った雨そのものではありません。避難や通行の判断は、市・県の発表と現地の状況に従ってください。

1. 考え方

以前は「記録した瞬間の、いちばん近いアメダス1か所の1時間・3時間・24時間の雨量」で判定していました。しかし、次の2つを説明できませんでした。

そこで、次の2つのどちらかに当てはまれば「冠水のおそれ」とします。

(A) 排水が追いつかない雨 ─ バケツで考える

道路に降った雨をバケツにため、1時間あたり D mm ずつ排水で抜けると考えます。雨が D より弱ければバケツはたまらず、強い雨が続くとあふれ始めます。記録の前3時間に、あふれた量が しきい値以上になっていれば「大雨の最中・直後」とします。

10分ごとに:水位 = max(0, 前の水位 + その10分の雨量 − D ÷ 6)
判定:記録の前3時間の水位の最大 ≧ あふれのしきい値(既定 1mm)

(B) 降り続いた雨と、水が引くまでの時間 ─ 割り引いた雨の合計

ここ数日の雨を、時間がたつほど小さく数えて足し合わせます(先行降雨と呼ばれる考え方)。半分になるまでの時間 H を決め、H 時間前の雨は半分、2H 時間前の雨は4分の1として数えます。合計が しきい値以上なら「降り続いた雨の量が多い」とします。雨が降り続いている間から、止んで水が引くまでの間が当てはまります。

10分ごとに:合計 = 前の合計 × 0.5^(10分 ÷ H) + その10分の雨量
判定:記録した時刻の合計 ≧ 割り引いた雨のしきい値(既定 150mm)

雨量はどこの値か

印西市の中にはアメダス(気象庁の観測点)がありません。記録の場所から近い4か所(30km以内)の10分雨量を、距離の2乗に反比例する重みで平均した値を使います。印西市の中心なら、我孫子・佐倉・船橋・成田の4か所です。使う期間は、記録した時刻までの7日間です。

どちらにも当てはまらず、ここ3日間(72時間)に0.5mm 以上降っていれば「🌦 小雨」、降っていなければ「🌤 雨なし(工事・事故など別の理由の可能性)」です。

2. 既定値と根拠

数値既定値根拠
D:排水が追いつく雨の強さ20 mm/時台風25号の記録から逆算した値です(下の「Dの逆算」)。比べる相手として、一般的な値(下水道の基準)も示します。下水道の雨水の計画に使う雨の強さは国の手引きは、計画に使う雨を「5年に1回〜10年に1回程度の雨(1/5〜1/10)」を基本としています(国土交通省 雨水管理総合計画策定ガイドライン(案)令和3年11月 p.47)。千葉県内の例では、千葉市が5年に1回の雨として1時間50mmで整備してきました(平成16年に10年に1回の53.4mm、重点地区は65.1mm へ引き上げ・千葉市雨水対策重点地区整備基本方針)。
印西市の値はわかりません(公開資料で見つけられませんでした)。
記録から逆算した20mm/時は、この50mm/時よりずっと小さい値です。印西市の冠水は、下水道の雨水管のない農道・低い土地・沼沿いの道で多く起きているため、と考えています(推測)。「下水道の基準で見る」ボタンで比べられます。
あふれのしきい値1 mm「排水の想定を少しでも超えた」ことを表す最小の値として置きました。実データで決めた値ではありません。
H:半分になるまでの時間48 時間台風25号の「通れない」記録(110件)と、同じ期間の雨で当てはめました。「通れない」記録をいちばん多く拾い、それ以外の時間をなるべく拾わない組み合わせです(下の計算のコーナーで確かめられます)。1回の大雨だけで決めた値なので、次の大雨の記録で見直します。
割り引いた雨のしきい値150 mm

D の逆算(台風25号・降っている最中の記録)

D は「降っている最中に、どのくらいの強さの雨で水があふれ始めるか」を表す値です。そこで、雨が降っていた9月21日0時〜22日3時に記録された「通れない」26件が、バケツがあふれている時間にどれだけ入るかを、D を変えながら数えました。

D(mm/時)「通れない」があふれている時間に入る割合降っていた時間のうち、あふれている時間の割合
10100%98%
1596%73%
2088%(26件中23件)54%
2569%43%
3054%34%
50(下水道の基準)0%0%

「通れない」をたくさん拾いつつ、降っていた時間の全部を「あふれている」とはしない、その差がいちばん大きいのが20mm/時前後でした。記録が26件・大雨1回分だけで、記録の時刻は冠水が始まった時刻ではなく記録した時刻なので、確かさは低めです。次の大雨の記録で見直します。

3. 数値を変えて試す(台風25号の記録)

mm/時
mm
時間
mm
通れない(−件)通れた(−件)期間中の時間(印西市の中心)
☔ 冠水のおそれ(合計)
 うち (A) 雨の強さ
 うち (B) 降り続いた雨・その後
🌦 小雨
🌤 雨なし

見方:「通れない」の多くが「冠水のおそれ」に入り、「期間中の時間」に占める割合が小さいほど、雨の影響をよく見分けられている設定です。「通れた」は雨の中でも通れた道なので、どちらに入っても構いません。

1時間の雨量(印西市の中心・左の目盛り) 割り引いた雨の合計(右の目盛り) そのしきい値 (A) 排水を超えた時間 通れない記録 通れた記録

データを読み込み中…

4. わかっていること・限界

5. 出典

このページでは記録の場所を約100m単位に丸めているため、地図の判定とずれることがあります(台風25号の「通れない」記録では1件)。

計算の中身は、防災MAPの記録に付けている判定と同じ式です(CiDAO src/lib/disaster-rain-logic.ts)。数値の誤りや改善点のご指摘は、防災MAPの「データの扱い」ページの連絡先までお願いします。